成原めぐみの特異体質に関する分析:概要

内部資料:アーカイブ


2020年06月10日

被験者情報
名前: 成原 めぐみ (旧姓:百目鬼) 調整体108号
生年月日: 10月10日
血液型: AB型
年齢: 18歳

特異体質に関する調査結果
成原 めぐみは、家族や友人など自身が好意を持つ人間から「運」を無意識に吸収するという特異な体質を持っている。この体質により、彼女自身は常に幸運に恵まれるが、彼女に好意を持たれた人間は身体的距離を問わず運を吸収され、次第に不運が訪れる。吸収量については調査中だが、彼女との親密度と彼女自身の運量が関わっていると推測される。団体の研究結果によれば、この体質が発現したのは彼女が10歳から12歳の頃と推測される。

“独り占め”現象
彼女の体内に保持された「運」が許容範囲の限界を超えると、特殊現象が発生する。この現象が発生すると、彼女の運は回復するが、物理的に距離の近い者は運が吸収され絶命する。この現象を団体では「独り占め」と呼称。2014年のバス転落事故は、この「独り占め」が引き起こしたものと推測される。件の調査時に2度の「独り占め」が発生。実験関係者も含め、計10名が死亡、7名が意識不明となった。「独り占め」の物理的な影響範囲について運の許容範囲からの差に比例して大きくなる可能性が高い。

研究結果と団体への影響
団体による調査の結果、成原 めぐみの体質が団体にとって大きな利益をもたらす可能性があることが判明した。「独り占め」については、定期的に彼女の体内に蓄積された「運」を御神体へ奉納する儀式を行うことで発生を抑制している。

考察
彼女の体質は自身の不幸を遠ざけ、幸福になる強制力が働いている可能性がある。しかしその場合、バス事故や妹の死など彼女にとって明らかに不幸と思われる事象について説明がつかない。
仮説だが、幸せな家庭という現状から、より大きな幸福願望を持った場合、無意識の内に彼女にとって優先順位が低い幸福が犠牲になった可能性が考えられる。

能力を活用した寄付収集計画については別紙参照

(LV8)

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