実験アーカイブ:004

/ProjectA1st/2/reed/experiment/report


調査担当 二宮金作 木村太郎

  1. 実験の概要
     木村太郎修練士の提案に基づき、寄付収集の効率を高めるための実験が実施されました。この実験は、前回の奇跡の視覚効果を聴覚効果へと転用したクロスモダリティ効果の検証を応用したもので、奇跡が付与された音楽を媒介として寄付を増幅器を通して効果的に収集できるかを検証しました。実験はA市の防災行政無線スピーカーを通して行われ、特定の周波数に合わせた不正機器を使用し、実験が実施されました。

  2. 実験結果
     実験は、1ヶ月間に3回、18時から各日15秒間、防災無線チャイムとして奇跡が付与された音楽を放送しました。その結果、計45秒の放送で通常の1日分の寄付を得ることに成功しました。しかし、前回の実験と同様に、被験体の一部に記憶障害が発現し、自分の家族に関する記憶を断片的に失うという副作用が確認されました。また、スピーカーと被験体との距離が、効果に影響を与えることが示唆される数値も確認されました。

  3. 団体内の反応と今後の方針
     実験は団体内で一定の評価を得ましたが、前回の実験で問題となった副作用の再発により、灯火の会からは内外への影響について大きな懸念が示されました。団体内部では、今後の実験において、被験体の記憶障害を最小限に抑える対策が求められています。

  4. 今後の活用
     スピーカーを通じた遠距離での寄付収集が可能であることが確認されたため、今後の活用においては、さらに効率的な音楽の選定や放送時間の最適化を図り、寄付収集効果の最大化を目指します。ただし、副作用の軽減策を講じた上で実施することが求められます。

  5. 課題
     今回の実験では寄付収集の効率化が確認されたものの、被験体の記憶障害という重大な副作用が再び発現しました。この問題は今後の実験や実用化に向けて、最優先で解決すべき課題とされます。また、スピーカーと被験体との距離が効果に与える影響を詳細に解析し、最適な配置や放送方法を確立することも課題です。

  6. 噂について
     今回の実験に関連して、「不幸の夕焼けチャイム」という七不思議の噂がA市で広がっています。この噂は、通常の「夕焼け小焼け」とは異なるメロディーが流れ、そのメロディーを聴いた子供たちが一生自分の家に帰れなくなるというものです。この噂は、実験の際に発現した記憶障害の被験体から出た情報が元となっている可能性があります。実際に、実験中には街全体が不気味な静けさに包まれたという証言もあり、団体内部ではこの現象についての詳細な調査が求められています。

今までの調査・実験結果を元に灯火の会への提案を行う。「新規計画に関する嘆願」を参照

(LV6)

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