内部資料:文字起こし
1995/1/2
――盱世の光の信徒たちよ、私は、総意により、初代法眼の跡を継ぎ、この団体を導く者である。今日、ここに新たな道を示すため、私は皆に話をする。
初代法眼は、生涯を通じて「運の再分配」を説き、多くの苦しむ者たちを救ってきた。運に恵まれた者から運を収集し、運に乏しい者に与える。その教えにより、我々は運の不平等を是正し、苦しみを和らげることができた。かく言う私も救われた一人である。しかし、私は法眼を継承して以来、次の問いに直面した――この方法だけで、本当に全ての苦しむ人々を救えるのだろうか?
時代は変わり、我々が直面している現実は、より複雑で困難なものとなっている。バブル経済崩壊が人々の生活を圧迫し、日本における運の絶対量も大きく減少している。我々が行ってきた運の収集方法では、助けを必要としている全ての人々を救うには、運が決定的に不足している。このままでは、苦しむ者を救うどころか、我々自身の存続さえ危うくなるだろう。
私は深く考えた。初代法眼が築いた教義をどう進化させ、より多くの人々に恩恵をもたらすことができるのかを。答えは明白だった。神を現世に降臨させる。そして神意が示され、これを成す。それが、より広範囲にわたる救済、この世界全体で見ることを可能にする唯一の道であると。
しかし、そのためには、従来の方法では不十分だ。我々は新たな運の収集方法を採用しなければならない。これまでは信徒や特定の限られた人々から運を徴収していたが、今後は、不特定多数の無灯者、信仰を持たない者からも運を徴収する。神の降臨には膨大な運が必要であり、その運を集めるためには、より広範な方法を取るしかない。
さらに、これまでの収集方法では、対象者への影響を最小限に抑えることが最優先だった。しかし、神の降臨を実現するためには、時には強力な儀式を用い、多少の影響を与えることもやむを得ない。運を奉納することは神に叶う行為であり、我々が目指すべき究極の目標である。私たちは、より多くの苦しむ人々に恩恵を与えるために、この道を選ばざるを得ないのだ。
初代法眼の教えは、運の再分配を通じて公正な社会を目指した。しかし、私は今、この教義を次の段階へと進化させることを宣言する。私たちは、神の降臨によって、より多くの人々を救うことができる。そのためには、新たな運の収集手法と、信徒の増加が必要だ。私たちは新しい運の徴収手段を検討し、これからもさらなる発展を追求する。私は皆より賢くもなく、力も弱く、目もあまり見えない。しかし、その分、私は皆の声を聞き、神を信じることで、真実を見通す力を得た。この改革は一人では成し得ない。共に立ち上がり、私を支え、この新たな道を共に切り拓いてほしい。
――これが、「開眼の大宣言」である。我々は、初代法眼の遺志を受け継ぎ、さらに多くの人々を救済するため、神の降臨を目指し新たな道を歩むのだ。これからの未来に向け、共に進もうではないか。
同志諸君、幸あれかし。

(LV7)