調査アーカイブ:045

/trouble/investigation/report_19951201


調査担当 成原眞子

事件の調査概要
12月17日、A市民会館においてライブイベント中に集団パニックが発生し、52名が体調不良を訴え、病院に搬送される事態となった。具体的には、観客の多くが吐き気、めまい、視覚異常、さらには意識を失うといった症状を訴えた。病院に搬送された52名の観客はいずれも軽傷で済んだ。報道によると、これらの症状は集団パニック性過敏性発作である可能性が高いとされている。

1.仮説
本件は奇跡自体に問題がなかったため何か外的要因が加わった可能性が高い。
過去の事件や噂を調査したA市民会館における”お里沢市の呪い”についての報告結果を元に会場となったA市民会館の構造・音響・照明の調査を行う。

2.調査結果
A市民会館の建物特性について調査を行った。その結果、以下の要因が判明した。※検証内容については別紙参照

  1. 建物の反響効果:A市民会館の壁に利用されている佐藤豊雄氏が開発した「グリーンスキン」が増幅効果を生み出しており、観客に対して強い影響を与えていた可能性が高い。
  2. 照明効果:特殊な勾配天井と照明(照度2000ルクスの全灯からの暗転と照度の10〜30ルクスの緑色光の舞台演出)が効果を増幅させている可能性がある。特に1階の前列(F13~17およびG13~17)が最も強い影響を受けていた。

3.影響
搬送された観客の症状から、建物内で発生した効果は通常の5~10倍と推測される。今回は軽微な奇跡だったため、大規模な事故には至らなかったと考えられる。しかし、症状が軽症で済んだのは偶然であり、状況が異なれば重大な結果を招く可能性があった。

4.展開
今回の事案は、A市民会館の特性と音響設備が限定された環境下で偶発なものであるが、これを計画的且つ大規模に発動させる方法・また防止方法について提案する。具体的には、以下の追加実験・検証が必要とされる。

  1. 反響効果の再現実験:A市民会館と同様の建物特性を持つ環境下での反響効果の再現実験を行い、どの程度の音響条件で影響を与えるかを検証する。
  2. 照明の影響分析:照明が増幅効果に与える影響を詳細に分析し、特定の環境下での効果の強弱を明らかにする。
  3. 対策の提案:同様の事態が再発しないよう、対策を講じるための具体的な提案をまとめる。

これらの実験・検証については、別途提案書として提出する予定である。

(LV6)

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