調査アーカイブ:035

/ProjectA1st/1/breath/investigation/report


調査担当 古畑任次郎 織田恵子 木村太郎

  1. 背景
    A市立中央図書館において、地元の七不思議のひとつとして長らく噂されてきた「読んではいけない本」に関する調査を実施した。特に注目されたのは、書庫に厳重に保管されているとされる「蕃神呪詛伝事」という書物であり、この本を読んだ者は「視力を失い、最終的には盲目になる」という恐ろしい呪いがかかるとされている。この噂は図書館職員の間でも広く認識されており、書庫への立ち入りや閲覧は厳重に管理されてきた。しかし、一部の冒険心旺盛な者が本を手に取るという事例が後を絶たず、その度に呪いにかかるとの証言が報告されている。
    本調査は、灯火の会から依頼を受け、この噂の信憑性を確認し、実態解明・書物の回収を目的として行われた。

  2. 調査方法
    1973年にA市立中央図書館内で類似の事故が発生していた記録が確認され、当該書物が何らかの形で書庫内に現存している可能性が高いと判断された。そこで、18歳以上の調査員を二名一組とし、合計5チームによる調査を実施した。調査員のうち一名が書籍の確認作業を担当し、もう一名がサポート役として異常発生時の対応を担う形式で進めた。
    調査は約半年にわたり行われ、図書館内の古典籍資料倉庫や人文総合情報倉庫を重点的に探索した。その結果、回収チームで異常が見られた合計4冊の書物が回収された。
    • 「帝国文化学説」
    • 「新時代之旅行記」
    • 「伝事写本」
    • 題名不明の書物

  3. 検証方法
    被験者には事前に心理的バイアスを排除し、健康状態の良好な者を選定。実験は被験者を対照群と実験群に分け、対照群には無害な書物、実験群には回収された4冊のうちのいずれかを読ませた。各段階で被験者の視力や精神状態、身体的反応を測定し、異常が確認された場合には直ちに実験を中止する体制を整えた。

  4. 調査結果
    4.1 「帝国文化学説」および「伝事写本」
    これらの書物に関しては、被験者に対して特段の異常は見られなかった。視力や精神状態の変化も確認されておらず、これらの書物は噂されている呪いとは無関係であると判断された。


    4.2 「新時代之旅行記」
    実験中、「新時代之旅行記」を読んだ被験者は、一時意識レベルが低下したものの問題ないと判断。ある特定のページを読み終えた瞬間に急激な意識レベルの低下(200以下)を示した。被験者はその後、意識を失い、現在も意識不明の状態が続いている。この書物については追加の調査が必要であり、何らかの未知の何かが働いている可能性がある。


    4.3 題名不明の書物
    題名不明の書物については、被験者が読み進めた際に数ページで急激な意識レベルの低下(レベル3)が見られ、後の検査で視力の低下が確認された。また、この書物の音読の録音を試聴したサポートメンバー、書物の保管担当者にも軽微ながら同様の症状が発現した。この書物については、団体の教典に書かれた一説を誤った形で写本したものである可能性が指摘されている。

  5. 結論
    本調査により、A市立中央図書館の「読んではいけない本」に関する噂は、「題名不明の書物」が原因と考えられる。「新時代之旅行記」に関しても、呪いの影響があると見られる現象が確認されており、今後もさらなる調査と検証が必要である。
    団体としては、特に「新時代之旅行記」について詳細な追加調査を行い、この現象の原因を解明することが急務であると考える。また、題名不明の書物については団体内での確認作業を強化し、教典との関係性を明確にするための再検証が求められる。

(LV6)

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