内部資料:調査報告書
概要
守旧派は、初代法眼の教義に忠実に従い、運の多き者から少なき者への再分配を重んじる団体内の保守派閥である。彼らは、初代法眼が神から授かった術式を活用し、苦境にある者、信徒を救済することをその主要な使命とする。この派閥の特徴的な方針として、運を徴収する際、無灯者(信仰を持たない者)に対して可能な限り負担をかけないことを重要視している。そのため、運の徴収は小規模かつ秘密裏に行われ、不遇な者や信徒に恩恵を分配することが基本的な活動の柱となっている。
守旧派は、無灯者との間に余計な摩擦を生じさせず、団体外部からの反感を買うことなく信徒を支援することを重視しており、その慎重な姿勢は初代法眼の教えを尊重する信徒たちからの支持を受け続けている。しかし、団体内での影響力は近年減少傾向にあり、開眼派との対立が深まっている。
開眼派との対立
近年、団体内では開眼派の影響力が急速に拡大している。開眼派は第2世代を中心に形成された改革派閥であり、従来の守旧派の運の徴収方法を「時代遅れ」と批判している。開眼派は、広範な人々から大規模に運を徴収することで、団体の影響力を拡大し、信徒に対する恩恵を増大させることを主張している。彼らは、より積極的に奉納を行うことで、団体の未来を切り拓こうとしている。
これに対して守旧派は、無灯者に対して過度な負担をかけることは団体の本来の理念に反するとして、開眼派の方針に反発している。守旧派の教師たちは、初代法眼の教えに基づく慎重な運の徴収と不遇な者への寄与を重視し、無灯者との余計な軋轢を生むことを避けるべきだという立場を崩していない。開眼派が提唱する大規模な運の徴収は、信徒以外の社会に対しても大きな影響を及ぼす可能性があり、これが団体外部からの反発を招くことを守旧派は危惧している。
動向と課題
守旧派の動向を分析するにあたり、現在の団体内部での影響力は、開眼派に押されていることが確認されている。特に、若年層の信徒の間では、二代目による開眼の大宣言や件のタレント活動もあり、より積極的に運を徴収し団体の影響力を拡大する開眼派の方針が支持されつつある。この状況下、守旧派の教師は、伝統的な方針を堅持しつつも、無灯者以外の信徒への恩恵をどのように拡充するかについての具体的な戦略を模索している。現状の小規模な運の徴収では、信徒に十分な恩恵を与えられないとの批判が出始めており、守旧派としてはその対応が急務となっている。
また、開眼派との対立が深まる中、守旧派がどのように団体内での立場を維持し、信徒からの支持を得るかが今後の鍵となる。特に、無灯者からの運の徴収範囲や規模について、守旧派の方針を柔軟に見直す必要性が議論されているが、現時点では守旧派内での意見は分かれている。
(LV7)